Moku's インタビュー木を選ぶ人と

Interview

土佐龍のものづくり

土佐龍

自然豊かな高知県の清流 四万十川流域で育った四万十ひのきを主な素材として商品作りをしている、木製家庭用品メーカーです。
四万十ひのきの間伐・除伐材、本来であれば廃棄される端材や葉っぱなどを適材適所で有効活用し、"すべてを活かす-木の料理人"をカンパニーポリシーとして、暮らしに役立ち、暮らしを明るく心地よくする商品の開発に日々務めています。

土佐龍の池さんにお聞きしました

もくまる

どのようなものを製作していますか?

土佐龍では、高知県産のヒノキや杉、山桜を使用したキッチン用品や入浴剤など、100種類以上の木製品を展開しています。
特に水回りの道具に注力しており、まな板、カッティングボード、洗濯板、お風呂で使える入浴剤などを製造。木の抗菌性や吸湿性を活かし、安心して使えるものづくりを心がけています。

まな板には、弾力性があり抗菌性に優れ、水に強いヒノキを採用。一方、カッティングボードには硬く傷がつきにくい山桜を使用するなど、広葉樹と針葉樹それぞれの特性を活かした商品展開を行っています。

また、人気のヒノキの入浴剤は、端材を活用したアップサイクル商品です。他社製品とは異なり、香りの持続性にこだわり、オイルを加えることで香りをさらに豊かにしています。この入浴剤は2~3回繰り返し使用でき、お風呂での役目を終えた後も、乾燥させてクローゼットや靴箱の消臭剤として活用いただけます。

もくまる

看板商品の誕生秘話やこだわりはありますか?

土佐龍の看板商品「スタンド付きまな板」は、まな板の収納や乾かし方に困るという声から生まれました。

「まな板が自立すれば自然に乾かせるのでは?」という発想から誕生したこの商品は、発売当初は珍しい形状に戸惑う方も多かったものの、その使い勝手の良さが口コミで広がり、今では30年以上愛され続けるロングセラーとなっています。

さらに、パンくずが散らばらない工夫が施されたカッティングボードや、服へのダメージを抑えつつ頑固な汚れを落とせる洗濯板など、木の特性を活かした機能的な道具も豊富に揃えています。

もくまる

木の製品の魅力は何だと思いますか?

木の香りには、心を落ち着かせる力があります。特にヒノキの香りはリラックス効果が高く、キッチンやお風呂場でふわりと広がるたびに、気持ちが穏やかになる感覚を味わえます。

また、木ならではのやわらかく温かみのある手ざわりも大きな魅力です。金属やプラスチックとは異なり、触れるたびに安心感を与える質感があり、使い込むほど手になじんでいきます。木製品は長く使うために多少の手入れが必要ですが、その分愛着が深まり、時間とともに色合いが変化し、自分になじんでいく過程を楽しめる道具でもあります。

さらに、木は機能性の面でも非常に優れています。ヒノキは抗菌性が高く、水に強いため、キッチンやバスルームで安心して使用できます。また、カッティングボードに使用される山桜は、硬く傷がつきにくく耐久性に優れているため、長く愛用できるのも大きな特徴です。

もくまる

愛用されているお客様の反応はどうですか?

「一度使うと手放せない」という声が多く、ヒノキのまな板はリピーターの多い人気商品です。使い始めると、包丁の刃あたりのやさしさやヒノキ特有の香りに気づき、料理の時間そのものが心地よく変わるというお声をいただいています。
ヒノキは衝撃を吸収する素材で、包丁の刃へのダメージを抑えられるのも特徴です。そのため、プロの料理人にも長く愛用されています。

バスグッズはプレゼント用として購入される方が多く、特に海外で人気が高まっています。欧米では、誕生日やクリスマス、ホームパーティーなどで気軽なギフトを贈る文化が根付いているため、香りを楽しめる入浴剤やアロマアイテムは重宝されています。

さらに、ヒノキの香りは海外では珍しいため、日本らしさを感じる要素として「ヒノキ=リラックス」のイメージが広がっています。シャワー文化の国でも、室内にヒノキの香りを漂わせてリラックスする使い方が定着しつつあります。

もくまる

高知県産木材の可能性や期待することはなんでしょうか?

高知の森で育つ木々は、特別な環境の中で鍛えられています。年間を通じて雨が多く、台風の通り道にもなる高知県。この地で育つ木々は、強い風を受け止めながらしっかりと根を張り、たくましく成長するため、耐久性が高く、しなやかで折れにくいという特徴があります。

特にヒノキは、雨の多い環境で育つことで油分をたっぷり含み、優れた抗菌性と耐水性を持つようになります。また、強風にさらされることで繊維が引き締まり、丈夫で長持ちするのも特長のひとつ。こうした性質が、まな板やバスグッズといった水回りの道具に適している理由です。
しかし、高品質な木材だからこそ、その価値が評価される一方で、価格の問題から住宅用建材として全面的に利用するのは難しいのが現実です。

そこで土佐龍では、「暮らしの中で使える木製品」を通して、この素晴らしい木材をもっと身近に感じていただきたいと考えています。まな板、カッティングボード、洗濯板、バスグッズなど、毎日の生活に溶け込むアイテムを通じて、「高知の木って、いいな」と思っていただけたら嬉しいです。
そしていつか、それが「高知の木をもっと活用しよう」という動きにつながることを願っています。

株式会社 土佐龍

住所:
〒785-0163 須崎市浦ノ内東分2830
電話番号:
0889-49-0111
FAX:
0889-49-0049
営業時間:
平日9:00~17:00
定休日:
土・日・祝日

Moku's インタビュー木を選ぶ人と

Interview

  • 木製品

    土佐龍

    高知の豊かな自然の中で育まれた木々を使い、まな板や洗濯板など、暮らしに溶け込む木の道具を作っています。
    使うたびにふわりと広がるヒノキの香り、やわらかな手ざわり、そして木ならではのぬくもりを感じていただけます。
    木の道具を取り入れることで、料理や家事の時間が少し心地よく、そして豊かになる。
    そんな暮らしに寄り添うものづくりを、私たち土佐龍は大切にしています。

  • 住宅

    東久万の家

    天然木の玄関柱や木の引き戸、土佐漆喰の壁。瀟洒の雰囲気の中にも長く暮らし続けるための温かな工夫が随所に。高知という風土と暮らしに対する施主と建築士の美意識がたくさん詰め込まれた邸宅です。

  • 住宅

    本山セルフビルド

    高知県本山町に移住し、主に林業で生計を立てるご夫婦。長年の夢であったセルフビルトでの家づくりに挑戦し、取材時は屋根仕舞いの真っ最中でした。
    家づくりの過程をYouTube等で投稿していることもあり、この家の仕上がりを多くの人が楽しみにしています。

  • 住宅

    廣瀬邸

    無駄のない動線や家事のためのゆとりあるスペース、さらに寛ぎの空間を確保するなど、担当された女性建築士の視点から提案された様々な配慮が行き届いた古民家改修例をご紹介。

  • 非住宅

    いの町立伊野小学校校舎

    美しい天井の肘木工法と見出し建築はアート性も高く、快適性と安全性を兼ね備えた木造校舎のロールモデル。

  • 非住宅

    レストランengawa

    2018年四国建築賞(一般建築部門)優秀賞受賞。木の温もりと中庭で大人がくつろげる空間に。

  • 住宅

    スギだらけの家

    木材の家にこだわられた自然派の理想とする住まい。家の中は、むき出しの梁を巧みに使いこなした、子育て世代の温かな日常が満ちていました。

  • 木製品

    高知県木製品工業連合協同組合

    高知県木製品工業連合協同組合=木工連は1986年に発足。当時は200社以上が集まっており、その多くは建具や表具家具会社でした。

  • 住宅

    須崎市 堅田邸

    自然素材の心地よさと 設計士の遊び心が豊かな 家族の時間を紡いだ 二世帯が渡り廊下でつながる家

  • 住宅

    久礼の家

    リビングから庭へと続く一体感が心地よい、アウトドアを楽しめる家

  • 非住宅

    オーベルジュ土佐山

    世界初の木質リゾートホテル 「オーベルジュ土佐山」 自然素材にこだわった建築で非日常を演出

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