高知市中心部の小高い住宅街、RC造校舎群景の一角に建つキャンパス初の木造3階建学校。 プランは東西軸の中廊下型で、耐力壁は意匠と構造の融合点より二方向で異なる架構をもたせた。X方向は一般的な柱・梁・筋交を主体とした軸組工法で開口部と必要耐力を確保、特に北面は列柱と筋交による線材で構成。列柱と筋交による木造らしい見慣れたレイヤーが、中大規模木造にどこか親しみやすさを与えている。Y方向は少ない壁長を面材構成によるCLTパネル工法で負担させている。生産・運搬の観点より巾2.2m×高さ約11.5mの大判素材というCLTの特異まれな寸法をそのまま生かすべく三層通し壁で自立させた。 華やかな最先端木造ではなく、従来技術の延長で汎用性を持たせた設計・施工は他用途の中大規模木造モデルのひとつとして可能性を感じた。 未来を見つめる学徒の感性に、木の空間がそっと優しく訴えかけ、ここですごした日々が少しばかりでも人生に寄り添うきっかけになれば設計者として望外な喜びである。
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高知市中心部の小高い住宅街、RC造校舎群景の一角に建つキャンパス初の木造3階建学校。
プランは東西軸の中廊下型で、耐力壁は意匠と構造の融合点より二方向で異なる架構をもたせた。X方向は一般的な柱・梁・筋交を主体とした軸組工法で開口部と必要耐力を確保、特に北面は列柱と筋交による線材で構成。列柱と筋交による木造らしい見慣れたレイヤーが、中大規模木造にどこか親しみやすさを与えている。Y方向は少ない壁長を面材構成によるCLTパネル工法で負担させている。生産・運搬の観点より巾2.2m×高さ約11.5mの大判素材というCLTの特異まれな寸法をそのまま生かすべく三層通し壁で自立させた。
華やかな最先端木造ではなく、従来技術の延長で汎用性を持たせた設計・施工は他用途の中大規模木造モデルのひとつとして可能性を感じた。
未来を見つめる学徒の感性に、木の空間がそっと優しく訴えかけ、ここですごした日々が少しばかりでも人生に寄り添うきっかけになれば設計者として望外な喜びである。